研究課題/領域番号 |
18360294
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中園 眞人 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60164208)
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研究分担者 |
中村 安弘 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20029268)
稲井 栄一 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10314816)
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キーワード | 伝統民家 / 民家再生 / 定期借家 / 社会実験 |
研究概要 |
I.「定期借家方式による民家再生システム」に準ずる先進的モデル事業を対象に、改修事例の詳細調査によりその成果と課題を整理した。(1)伝統的農家住宅を福祉施設に改修した事例の詳細調査を実施した。(2)子育て支援施設を対象に、農家住宅改修事例の使われ方調査を行った。(3)地域コミュニティ施設(環境学習拠点)及び飲食店舗として再生された施設を対象に、改修経緯・改修内容と共に、改修後の施設運用体制・行事企画内容と利用形態の調査を行った。(4)「ふるさと島根定住財団」の長期借り上げ型空き家活用事業を対象に、転入動機と就労形態、改修内容・コストと住まい方・居住環境評価の関係について詳細調査と分析を行った。 II.農村地域における産業体験と連動した田園居住支援システムの実例調査により、UIターン者のための産業体験事業とその受け皿としての空き家活用法に関し、各自治体の事業の特徴と実績を整理した。産業体験事業はUIターンの動機付けの機会提供だけでなく、地域活性化や農林業等の後継者不足対策にも効果をもたらすことを示した。 III.木造建築構法に対応した既往耐震診断手法の総括的整理を行った。常時微動計測を含む木造民家詳細実測調査データベースを用いて、柱・はり接合部、土壁等の構造性能を適切に仮定した、限界耐力計算により伝統木造住宅の構造性能を評価し、伝統民家の改修設計を行う際の耐震補強の必要レベルを推定した。伝統民家の水平加力実験による弾塑性域の耐力・変形性能の測定データをもとに、大地震時における伝統民家の終局耐力・変形性能の解析により、建物の耐力および剛性を算定し、これと建物の破壊モードを考慮した解析結果より剛性を算定し、伝統民家の構造性能を定量的に評価した。 IV.空気流動モデルによる伝統民家の熱環境シミュレーション手法の開発を行い、冬季の室内熱環境に関し暖房方式や建具開閉による熱流動・熱損失を空気流動により予測した。また農家住宅を改修した伝統民家の夏季・冬季の熱環境計測により、室内熱環境の実態と改善課題と方法を検討した
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