研究課題
基盤研究(B)
電子線を試料に照射し、試料の方位を変えながら、特性X線の強度変化を測定することにより、特定元素周辺の原子分解能ホログラムを記録することができる電子線励起X線ホログラフィーを新たに提案した。本手法は、表面構造観察に用いられるX線光電子ホログラフィーの光学的相反定理を利用した技術であるが、X線ではなく電子線を励起源としている。電子線は、エネルギー可変性やビームの収束性に優れており、ナノメータサイズの微結晶粒の多波長ホログラムの測定が原理的には可能である。従って、最低数mm2の面積の結晶サイズを必要としていた従来の原子分解能ホログラフィー技術に比べ、格段に測定対象が広がり、かつ高精度な原子像を再生させることが可能である。本計画では、電子線励起X線ホログラフィー装置のプロトタイプを開発し、産業・学術界への普及を目指した技術確立を目指す。
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