| 研究課題/領域番号 |
18360301
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| 研究機関 | 筑波大学 |
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研究代表者 |
水林 博 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (40114136)
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| 研究分担者 |
谷本 久典 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (70222122)
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| キーワード | 非晶質合金 / パルス通電結晶化 / パルス通電非晶質化 / 集団運動 / 無拡散的結晶化 |
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| 研究概要 |
コンデンサ放電によるパルス通電結晶化では、放電時定数τと初期電流密度idoを固定してパルス通電を繰り返すと、生成結晶量は飽和するが、生成結晶粒径は不変である.このことは、ガラス転移前の液体状態に含まれる容易結晶化構造が、格子振動の光学モードに相当する集団運動励起により無拡散的過程により結晶化することを意味する.そこで、本年度はZr50Cu50とZr55Cu45について生成する結晶相と結晶状態の放電時定数および初期電流密度依存性を調べた.主として生成するのはcubic-ZrCuで、これは固相高温での金属間化合物であり、液体状態における中距離秩序が固相での安定構造を反映していることを意味する.X線回折で調べたc-ZrCuの格子定数は文献値と比較して、Zr50Cu50では僅かに短く、Zr55Cu45では大きくなっている.また、空間充填率が低いmonoclinic-ZrCuは、Zr50Cu50では生成するτとido領域が限られており、かつ生成量は極めて少ない.Zr50Cu50と比較して、Zr55Cu45ではm-ZrCuが生成するτとido領域は広く、かつ、生成量は相対的に多い.一方、稠密構造のα-Zrの生成条件、生成量はこの逆である.以上のことは、固相高温で存在する金属間化合物組成を外れた合金組成領域では液体状態における中距離秩序に空間充填率の低い構造が増えることを意味する。これらのことから、τを固定してidoを順次増大させた場合Zr50Cu50とZr55Cu45で観測される、結晶化率が一旦増大した後、減少に転ずるパルス通電再非晶質化は、結晶化率増大時に観測される粒径数nmの結晶粒の周囲の非晶質領域には結晶化で排出された自由体積が蓄積しており、次のパルス通電時には、既存の結晶粒が大きな共鳴運動するためであると推測される。
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