研究課題/領域番号 |
18360305
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
東田 賢二 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70156561)
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研究分担者 |
金子 賢治 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (30336002)
野口 博司 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80164680)
森川 龍哉 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (00274506)
荒牧 正俊 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (50175973)
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キーワード | 格子欠陥 / 透過電子顕微鏡 / 走査透過電子顕微鏡 / 転位 / 靭性 |
研究概要 |
結晶中の転位像は、原理的に回折に依存した観察であることは言うまでもなく、そのトモグラフ観察は現在研究途上にある。しかし、そのコントラストが試料傾斜によって大きく変化しないこと、換言すれば、試料傾斜による回折コントラストの変化を押きえ込む回折条件設定・維持が出来れば、観察は可能となることが期待される。これは基本的に回折ベクトルを試料回転軸と一致させることで、試料傾斜に際して回折ベクトルを保持し、バーガースベクトルと回折ベクトルとの角度関係を一定に保つことにより達成できる。そこで、本年度は、高温三点曲げ試験によって転位を予め導入したSi結晶を用いて、シンプルな転位構造について3次元電子線トモグラフ観察を行った。観察には、高傾斜可能な三軸試料ホルダーを用い、環状暗視野走査透過電子顕微鏡法(Annular dark field-scanning transmission electron microscopy:ADF-STEM)法を用いた。試料を試料ホルダー内で-60〜+60の範囲で2度刻みに回転する際、回折ベクトルを常に一定に保ち、連続傾斜像を取得した。その取得した連続傾斜像をSIRT(simultaneous interactive reconstruction technique)法により再構成した結果、辷り帯を構成する転位の三次元構造が明確化され、その辷り面・バーガースベクトルを詳細に決定することが可能と成った。
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