研究課題
基盤研究(B)
3d遷移金属を含む金属間化合物相の結晶構造には、12配位多面体等の複雑な配位多面体から成る配位多面体構造が存在し、これら構造には、タンパク質等で見られるような結晶構造の階層性が予想される。本研究では、構造中に12、14、15、および16配位多面体を含む、Fe-Mo合金の40at.%Mo組成付近に存在するμおよびR構造を取り上げ、その階層性の有無および特徴について検討した。具体的には、階層性の構成要素となる高次構造の同定を、bcc相からの固相反応で出現する準安定析出物の原子配列を通して決定した。その結果、準安定析出物の状態として、μ構造の形成では、無秩序原子コラム状態と原子コラムブロックの短範囲規則化状態、R構造では、無秩序原子コラム状態と原子コラム分域状態の存在が明らかとなった。そこで、これら準安定状態の存在を基に、高次構造の同定を行った。得られた高次構造は、μ構造の場合、一次構造が12配位多面体、二次構造は12配位多面体が一方向に連なった10角形原子コラム、三次構造が4個の10角形原子コラムから成るコラムブロック、さらに四次構造はコラムブロックが一方向に連なったコラムブロック層である。一方、R構造については、一次構造が16配位多面体、二次構造が3個の12配立多面体と1個の16配位多面体対を構造単位とする原子コラムとなった。また本研究では、これら高次構造の出現が、金属結合中での共有性結合ボンドの形成・発達と直接関係していることも指摘した。結局、これらの結果は、μおよびR構造において、実際階層性が存在すること、同じ配位多面体を含む両構造でも、一次構造を含め、その高次構造が異なることを示している。この事実は、金属間化合物相の配位多面体構造での階層性には、多くの多様性が存在することを示唆している。
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