研究課題/領域番号 |
18360310
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
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研究分担者 |
増本 博 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (50209459)
木村 禎一 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10333882)
塗 溶 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (80396506)
堀田 幹則 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30431604)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 生体親和性 / セラミックス膜 / レーザーCVD |
研究概要 |
本研究では、有機金属化学気相析出法(MOCVD)およびレーザー援用したCVD法(LCVD)を用いてカルシウム系複酸化物膜を作製し、成膜条件が生成相、微細組織、成膜速度に与える影響を調べた。また、生体外試験として擬似体液中への浸漬実験を行い、骨類似アパタイトの形成挙動から膜の骨伝導能および生体適合性を評価した。 MOCVD法により、CaTiO_3、HApおよびα-TCP単相膜が初めて合成された。平滑の表面組織を有するCaTiO_3膜では6週間、複雑な表面組織を有するCaTiO_3膜では3日、α-TCP膜では2週間、HAp膜では6時間の浸漬により、それぞれ表面全体がアパタイトで覆われた。アパタイトはいずれも膜の微細な窪みで優先的に形成され、セラミックス膜の骨伝導能のほかに、表面モルフォロジーが大きく影響を及ぼすことがわかった。 LCVD法により、HApおよび□-TCP単相膜が得られた。Ca-P-0膜の生成相はレーザー出力の影響を強く受け、P_L=200Wではα-TCPが広く生成し、P_L=150Wでは低温領域ではHApが生成し、高温領域ではα-TCPが生成した。また、P_L=100WではHApが主相として広範囲で生成した。いずれの膜も断面は緻密な構造であった。成膜速度は、原料過飽和度、T_<dep>、P_Lの増加とともに増加し、P_L=200W、P_<O2>=0.6kPaで1200μm/hであった。HAp膜を被覆した試料のハンクス溶液中への浸漬実験では、浸漬6時間後からアパタイトが形成した。 以上の結果から、CVD法を用いてCa-Ti-OおよびCa-P-O膜の合成が可能であり、合成条件が膜の生成相、微細組織および成膜速度に及ぼす影響が明らかになった。また、得られたCa-Ti-OおよびCa-P-O膜は非常に短期間でアパタイトが形成し、高い骨伝導能を示すことがわかった。
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