ポリビニルピロリドンを含有するアルコキシド溶液をコーティング液とするゾルーゲル法により、Si(100)及びPt(111)/TiO_x/SiO_2/Si(100)基板上にBa(Ti_<1-x>Sn_x)O_3(x=0.10または0.15)薄膜を作製した。1回の成膜操作で亀裂のない0.46pm(1000rpm)及び0.29μm(2000rpm)厚の薄膜を作製することができた。ただし、1000rpmで成膜した膜には直径100pmの剥離部が認められた。いずれの基板上に作製した膜においても500〜600℃でペロブスカイト相が生じ、700〜800℃でほぼ単一相のペロブスカイト相が得られた。ただし、Pt(111)/TiO_x/SiO_2/Si(100)基板上ではSnO_2とBaCO_3の小さい回折ピークが生じ、基板回転速度を大きくするとこれら回折ピークが減少する傾向が見られた。Pt(111)/TiO_x/SiO_2/Si(100)基板上で2000rpmで作製した膜について誘電特性の評価を行った。x=0.1、0.15の1回コーティング膜の誘電率はそれぞれ350、230、誘電損失はそれぞれ0.30、0.10であった。x=0.1、0.15の2回コーティング膜の誘電率はそれぞれ450、250、誘電損失はそれぞれ0.21、0.19であった。
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