研究課題/領域番号 |
18360328
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山浦 真一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50323100)
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研究分担者 |
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00161571)
井上 明久 東北大学, 総長 (10108566)
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キーワード | 水素 / 水素分離 / 金属ガラス / 非晶質 / 圧延 |
研究概要 |
平成18年度は予備的実験としてまず広い過冷却液体領域を示すZr-Al-Ni-Cu系金属ガラス合金を用いて、温間プレス加工によって多孔質基材上に製膜実験を行った。多孔質基材としては主に金属粉末焼結体基材を用いた。金属ガラス薄帯を多金属粉末焼結多孔質基材上にのせて減圧下において加熱し、約400℃で過冷却液体状態となったところで荷重を加え、プレスした。その結果、多孔質基材上に金属ガラス薄帯が良い密着性を示しながら接合された。製膜試料の断面を観察したところ、多孔質基材表面の凹凸に金属ガラスが入り込み、金属ガラス膜と多孔質基材がアンカー効果による機械的結合状態にあることが分かった。得られた製膜試料(パラジウム-金属ガラス-パラジウム-多孔質基材の積層構造試料)の水素透過性を調べたところ、Zr-Al-Ni-Cu金属ガラスが高い水素透過性を示した。本方法で作製した試料は基材を用いているため機械的強度も高く、大きな水素圧力をかけることも可能であると考えられる。 さらにNi-Nb-Zr三元合金の結晶化温度を引き上げ、より高温で安定して使用できる非晶質金属水素分離膜を作製するため、Ni-Nb-Zr合金に対して高融点金属Taの添加を試みた。その結果、Ta添加量を増やしていくと結晶化温度が上昇し、非晶質(アモルファス)合金の熱的安定性が向上することが分かった。しかしながら、Ta添加量の増加は水素透過性の向上にはつながらず、本合金(Ni-Nb-Zr-Ta)系の場合は、熱的安定性向上の目的でTa量を、水素透過性向上の目的でZr量のコントロールが重要であることが分かった。
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