研究概要 |
平成19年度は,深紫外線に対する受光感度の利得特性と永続的光伝導(PPC)特性の原因となる深いエネルギー準位を測定することによってその機構を理解すること、および受光感度を向上させたダイヤモンドフォトディテクターを試作することによって、火炎センシング性能向上させることを目標とした。その結果以下の成果を得た。 (1)熱刺激電流の温度特性から1.37eV,またPPC温度特性から1.5eVの深い準位の存在が見出された。これらを深い準位を基礎に、受光感度の利得特性と永続的光伝導(PPC)特性を説明するために、ダイヤモンド基板内の高濃度窒素元素およびダイヤモンドエピタキシャル層内の欠陥準位の二つを考慮したキャリア放出・捕獲による定性的なモデルを構築した。 (2)ボロンを10^<16>cm^<-3>以下に添加したダイヤモンドエピタキシャル膜を用いて高感度化に成功したダイヤモンド火災センサ試作し、30cmの距離からのアルコールランプ炎検知に成功した。 (3)導電性ダイヤモンド基板を用いることによって、縦型構造のダイヤモンドショットキーフォトダイオードを作製した。エキシマランプ(DeepUV光,20mW/cm2)の連続照射に対して、600時間の安定動作を実証した。
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