研究課題
基盤研究(B)
まずフェイズドアレイの音場設計を行い、これに基づいて従来の非線形超音波システムと市販のフェイズドアレイを組み合わせ、開口合成によりき裂画像の計測により、受信部のアレイ画像表示技術の有効性を検証した。次に、送信部圧電素子を現在のLiNb03からPMN-PTをはじめとする能率の高い素子に変える場合の有効性を検証するため、PZT,PbTi03を加えた4種の素子で探触子を作成し、系統的に各素子の能率を検証した。その結果、他の3素子はLiNb03に比べ、4から10倍程度能率が高く、特に単結晶であるPMN-PTは、経年信頼性の点で有望であることを確認できた。次に低コストの非線形超音波アレイ装置として、最大600Vの励起電圧が可能なバーストパルス探傷器を改良し、さらにこれを8台制御するシステムを開発した。またアレイの基本設計を行うとともに、MEMS作製装置を中核とするリソグラフィー装置を用い、8chアレイを試作した。試作したアレイの有効性を確認するため、光弾性可視化装置により、ガラス試料内へのアレイによる入射波を観察し性能を検証した。その結果、従来用いてきた非線形超音波システムと比較して、安価な探傷器でも十分非線形現象が観察できること、アレイのチャンネル数は不十分なもののフェイズドアレイの遅延制御により音場が制御できることが確認できた。以上当初の計画通り、フェイズドアレイの作成技術と光弾性法による性能評価手法が確立でき、また探傷器を低コストでマルチチャンネル化する技術と、より多チャンネルで非線形超音波フェイズドアレイを開発できる見通しを得た。
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