球形単分散微金属粒子をテラヘルツ波長に対応する格子周期で複雑な3次元構造にも配列できる新技術を確立する。これに樹脂を含浸し除去することにより、完全フォトニックバンドギャップを持つ反転ダイヤモンド構造のフォトニック人工結晶が作製できることから、テラヘルツ波制御用の要求を満たすデバイスの作製が可能となる。テラヘルツ波は医療分野、社会安全システム、超多重光通信など多くの分野への展開が期待されているが、当該新技術はその制御デバイス化を実現する基盤研究・技術として期待される。 単分散球形粒子をマニピュレーターにより配列座標に搬送し、隣接する複数の既配列粒子との接点のみをファイバーレーザーを用いて多点同時に局所加熱することで融解・連結し、これを繰り返すことで配列体を構築する。フォトニック結晶の作製を考えると単純立方(SC)、ダイヤモンド構造などの人工結晶の配列が不可欠である。ここで極めて重要で新規性の高い技術として、個々の粒子は搬送時にCCDカメラによって粒子形状や直径などの固有データを採取しておき、粒子を単に配列するとズレ(格子のひずみ)を生じるので接触粒子の多点を同時に瞬時に溶解し、それが凝固する前に粒子中心位置が格子点と一致するように微動・補正することである。従来の粒子配列法では、大きく分けて粒度分布と粒子配列精度とに起因して粒子中心点が配列すべき格子点座標からずれを生じ、これが周期性など配列格子精度に大きく影響を及ぼす。本年度は配列する粒子の中心点を格子点座標に一致させ、この影響を限りなく排除することが出来る新技術を確立した。すなわち常に理想的な球形微小粒子配列格子を作製することが可能な高精度微粒子配列システムを構築した。また、単分散粒子の試作も行った。
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