研究課題/領域番号 |
18360358
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
中村 照美 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, 主幹研究員 (20354277)
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研究分担者 |
平岡 和雄 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, グループリーダー (30354278)
平田 好則 大阪大学, 工学研究科, 教授 (00116089)
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キーワード | ハイブリッドワイヤ / アーク入熱範囲 / 電子密度 / シミュレーションモデル / TIG溶接 / MIG溶接 / 赤外領域 |
研究概要 |
(1)アークの電子密度計測によるアーク入熱範囲の推定H20年度に実施を予定している「ハイブリッドワイヤの設計指針」を検討するためには、Hl8年度に開発したシミュレーションモデルの精度向上が必須である。そのためには、ワイヤ先端部におけるアーク入熱領域を求める必要がある。アーク入熱範囲は、アーク内でワイヤに電流が流れる範囲と同じであると考えられるので、電流の流れる経路を推定するためにアーク中の電子密度分布を計測した。TIG溶接では電子密度分布計測が行われてているので、これを参照データとしてMIG溶接の電乎密度分布を推定した。TIG溶接の赤外領域波長画像から電子密度分布を求め、同じ撮影条件でMIGの赤外領域波長画像を計測した。アーベル変換により空間分解した計測データから、MIG溶接アークの電子密度分布を求め、ワイヤ先端部付近の電子密度分布を得ることができた。その結果、電流が280Aではアーク入熱範囲は2〜3mmの領域であることがわかった。消耗電極式溶接のMIG溶接では計測が困難であった電子密度分布計測が可能になった。 (2)シミュレーションシステムの高精度化とシミュレーションソフトの検証アーク入熱範囲をOmm(ワイヤ側面からの入熱が無くワイヤ端面からの入熱のみ)、2mm、5mmと変えてハイブリッドワイヤのシミュレーションを行った。9000コマ/秒の高速度ビデオカメラシステムによりハイブリッドワイヤ先端の挙動を観察した。ここで使用したハイブリッドワイヤは中心がインコネルで外側が鋼である。その結果、アーク入熱範囲が2mmの場合のシミュレーション結果は実験結果と同様な挙動を示すことがわかった。「ハイブリッドワイヤの設計指針」を検討するための基礎シミュレーションモデルができた。
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