研究課題/領域番号 |
18360358
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
中村 照美 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, 主幹研究員 (20354277)
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研究分担者 |
平岡 和雄 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, グループリーダー (30354278)
平田 好則 国立大学法人大阪大学, 工学研究科, 教授 (00116089)
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キーワード | MIG溶接 / シールドガス / 純Ar / 溶融金属液柱 / シミュレーション / 同軸複層ワイヤ / ハイブリッドワイヤ / 設計指針 |
研究概要 |
(1)ハイブリッドワイヤ設計指針の提案 H19年度までに開発したハイブリッドワイヤの溶融挙動解析シミュレーションソフトウエアを用いて、ワイヤの溶融挙動(ワイヤ先端の固-液界面位置)を解析した。溶融金属液柱を短くして安定な純Ar-MIG溶接を可能とするためのワイヤ設計指針として下記を提案した。 (a)芯線(中心部の材料)とフープ材(周辺部の材料)の融点差を大きくする。芯線の融点は低くし、フープ材の融点は高くなるような材料を組み合わせる。 (b)芯線の比熱は小さくし、フープの比熱が大きくなるような材料を組み合わせる。 (c)芯線の熱伝導率を大きくし、フープの熱伝導率が小さくなるような材料を組み合わせる。 (2)ハイブリッドワイヤ設計指針の検証 実際に使用される材料(鋼、ステンレス、Ti、Cu、Al)から溶融金属液柱を短くできる材料として、芯線にCuを、フープに鋼を選定した。ハイブリッドワイヤを試作し、高速度ビデオカメラでハイブリッドワイヤの溶融挙動を解析した。シミュレーションで予想したように、溶融金属液柱はほとんど発生せす、安定な溶滴移行が可能になった。溶接後のワイヤの断面を観察し、ワイヤ中心部の溶融が促進され凹状になり、設計指針の有効性を確認した。 (3)ハイブリッドワイヤ設計指針の適用 本設計指針を低温用鋼とHT材の実溶接に使用するための同軸複層ワイヤ設計に適用した。試作ワイヤでは安定な純Ar-MIG溶接が可能となり、本指針の有効性が実証された。
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