研究課題/領域番号 |
18360362
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
葛西 栄輝 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50134044)
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研究分担者 |
林 直人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90396531)
村上 太一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80374966)
川本 克也 独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター, 室長 (50257325)
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キーワード | 有機系廃棄物 / 熱分解ガス / ガス改質反応 / 酸化鉄還元反応 / コンポジット構造 |
研究概要 |
酸化鉄と炭素および炭化水素系固体還元材からなるコンポジット粒子の最適構造を把握し、反応過程の粒子内温度差を制御することによる熱分解生成ガスの還元への効率的利用とガス改質反応促進の同時達成を目的とした実験的検討を行い、以下のような結果を得た。 1.コンポジットの熱分解・還元実験 本研究で作製した還元実験装置を使用して、コンポジット試料の熱分解・還元実験を行った。コンポジット試料は有機系試料として粉状の中密度ポリエチレン試薬、酸化鉄試料としてヘマタイト試薬を用いて作製した。その他、還元補助材としてグラファイト試薬を用いた。還元実験はArガス流通下で行い、昇温速度は0.6〜3.7K/sの範囲で変化させた。等速昇温の後、1423Kで保持し、本研究費により購入した購入したガスクロマトグラフ等による発生ガス組成分析および試料重量変化測定結果に基づき、有機物熱分解速度、酸化鉄還元速度、最終還元率を定量化した。さらに、発生ガス組成およびコンポジットの構成組織変化より、コンポジット粒子の還元メカニズムを詳細に検討した。 2.多種複合廃棄物の高度利用を可能とする製鉄プロセスの検討 有機系固体還元材をより高効率に酸化鉄の還元利用するため、コンポジット構造の複合化について検討した。その結果、内層部にプラスチックを偏在させ、かつ外層部にも少量のプラスチックを添加する構造において還元反応への発生ガスの利用率が大きく向上することを見いだした。このような構造を持つ原料は、現在、製鉄ダストやミルスケールなどのリサイクル処理に利用されている回転炉床法や移動層法に適用可能であり、還元材選択の自由度向上が期待できる。
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