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2007 年度 実績報告書

金属オキシクロライド化合物の生成・蒸発反応機構

研究課題

研究課題/領域番号 18360364
研究機関東京大学

研究代表者

月橋 文孝  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60155348)

キーワードリサイクル / 塩化物 / オキシクロライド / 亜鉛 / 熱力学 / 反応速度 / 塩化反応 / 製鉄ダスト
研究概要

これまで実験上の困難さから十分に解明されていなかった廃棄物の処理プロセス,金属の回収プロセスで問題となるオキシクロライド化合物の生成挙動,機構を明らかにすることを本研究の目的とする。その基礎となる亜鉛,鉛などのオキシクロライド化合物の生成自由エネルギー,蒸発反応に関する熱力学的データ,生成,蒸発反応の反応速度などの速度論的データを測定した。
対象とする金属元素を亜鉛および鉛とし,金属オキシクロライドの生成と蒸発過程について調べるため,高い酸素分圧下で流動法により金属酸化物の塩化,蒸発挙動を測定した。酸素分圧,温度を変えて,アルミナ坩鍋中の金属酸化物試料の塩化による重量減少量を測定し,金属塩化物の蒸発量,金属オキシクロライド化合物の蒸気圧を求めた。その結果から,亜鉛オキシクロライド,および鉛オキシクロライドの生成反応のギブス自由エネルギーを求めた。
また,酸素分圧,塩素分圧を変えて,一定時間毎のアルミナ坩堝中の亜鉛および鉛の金属酸化物試料の塩化反応による重量減少量を測定した。その結果から,酸化物の塩化反応と蒸発の過程を速度論的に解析し,反応機構を明らかにした。特に,酸素分圧の影響の実験では,酸素分圧が増加するに従い,塩化反応速度がわずかに増加することから,蒸発反応過程において亜鉛オキシクロライドが生成することで,蒸発速度の酸素分圧依存性を説明することができた。また,亜鉛オキシクロライドおよび鉛オキシクロライド化合物の安定な存在形態を明らかにした。
これらの測定から,金属元素の選択的な塩化反応を利用して,塩化物を経由した亜鉛,鉛などの有価金属を含む製鉄ダストなどの廃棄物を資源としたより効率の良い資源のリサイクルプロセスの可能性を示すことができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Activity Measurement for the FeCl_2-ZnCl_2 system2007

    • 著者名/発表者名
      Sang Han Son, Fumitaka Tsukihashi
    • 雑誌名

      Metal. Material Trans. B 38B

      ページ: 665-670

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ar-Cl2-O_2雰囲気におけるPbO-PbCl_2の塩化および蒸発挙動2007

    • 著者名/発表者名
      松浦 宏行、月橋 文孝
    • 雑誌名

      鉄と鋼 93

      ページ: 424-433

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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