研究課題/領域番号 |
18360369
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安田 秀幸 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (60239762)
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研究分担者 |
吉矢 真人 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00399601)
柳楽 知也 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00379124)
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キーワード | 磁気効果 / 磁気科学 / 粒子配列 / 配向組織 / 強磁場 |
研究概要 |
本研究では、物質の磁場に対する応答を利用し、凝固・結晶成長過程、ならびに急冷凝固組織の固相変態において、結晶方位が配列した組織、特定の相が規則的に配列した組織といった高次組織・構造の制御に注目して研究を行った。 (1)磁場・プロセス設計 高次組織制御を実現するため、均一磁場用ならびに均一磁場勾配用アダプターの設計・試作を行った。 (2)磁気相互作用を利用した融体・流体中組織制御 凝固過程、あるいはマイクロ・ナノ粒子の規則配列過程(結晶成長過程)における磁気効果を利用した高次組織制御の手法を開発を目指して、偏晶合金系Al-In、Cu-Pb、Ti-Yの規則組織形成を検討した。Cu-Pb系、Ti-Y系で規則組織形成が困難な理由は、融液から形成される液相が固相と濡れることに起因していることが明らかになった。濡れ性を変化させる第3元素の添加により、規則組織形成の可能性があることが明らかになった。 また、SiO2、TiO2などのセラミックスの球形粒子の試作を試みて、SiO2では数100nm径、TiO2では1μm径程度の粒子が可能となり、磁場の配列への寄与を調べた。5T以上の磁場を印加することにより、粒子配列の規則性が増加することが明らかになった。今後、多種粒子を用いた粒子配列(結晶成長)へ展開する予定である。 (3)磁気相互作用を利用した固相中組織制御 固相中で起こる粗大化過程における磁気効果を明らかにするため、磁気エネルギーを含めたモデル化を行い、フェーズフィールドシミュレーションを行った。その結果、固相中においても粗大化に磁場が寄与できるケースが明らかになった。構築したモデル・シミュレーションを用いて、磁場中粗大化における結晶方位配向の機構を明らかにする。
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