研究概要 |
19年度は研究計画に従い調製したアポ型シトクロムc_3の調製の性質を調べた。シトクロムc_3の4種類のヘム(ヘムI、ヘムII、ヘムIII、ヘムIV)の中からヘムIを選択的に除去したアポ型シトクロムc_3(ΔhemeIシトクロムc_3)に加え、ΔhemeIIシトクロムc_3,ΔhemeIIIシトクロムc_3、ΔhemeIVシトクロムc_3の調製も成功した。 これら4種類のアポ型シトクロムc_3と鉄プロトポルフィリンを用いて、ヘムの再構成を行った。その結果、ヘム1とヘム3に関して、再構成に成功した。また、これらの再構成シトクロムc_3をの性質を調べた。分光学的性質、酸化還元電位、酵素ヒドロゲナーゼとの電子移動において、シトクロムc_3と性質の違いが見られず、再構成できたことがわかった。つまり、ヘムを再構成した場合もヒドロゲナーゼとの水素発生反応において相違がないことがわかった。このことから、亜鉛ポルフィリン型シトクロムc_3を調製した場合においても、ヒドロゲナーゼとの反応に影響がないことが期待された。 さらに、亜鉛ポルフィリンを用いた再構成を行い、亜鉛ポルフィリン型シトクロムc_3の創製を行った。これまでのところ、亜鉛ポリフィリンがアポ型シトクロムc_3に挿入されたことを質量分析から確認できた。
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