研究課題
アミノ酸系界面活性剤を精密に設計することで、多様なAMSのメソ構造や結晶形態を制御できると考えた。そこでアミノ酸部分の構造が異なる界面活性剤を用いて合成したAMSのメソ構造や結晶形態の変化を検討した。SDAとしてはL-アラニン(L-Ala)およびL-バリン(L-Val)のN末端をそれぞれC_<13>H_<27>CO化したC_<14>-L-AlaAとC_<14>-L-ValAを用いた。CSDAとしては(CH_3O)_3Si(CH_2)_3N^+(CH_3)_3Cl^-(=TMAPS)を用いた。合成ゲルの組成比がTEOS:TMAPS:C_<14>-L-AlaA:NaOH:HCl:H_2O=0.94:0.06:0.135:0.120:0.015:233のときAMSはp6mm構造を有し、その粒子は、左あるいは右にねじれた六角柱の形状となる。TEMによる構造解析により、内部には外形と同様の向きに配列するキラルなメソ孔が存在することがわかっている。この時、左巻き粒子数:右巻き粒子数=75:25程度である。そこで、SDAとしてアミノ酸側鎖にメチル基よりも嵩高いイソプロピル基を有するC_<14>-L-ValAを用いてAMSを合成し、左巻き粒子の割合の増大を試みた。合成条件の最適化を行い、合成ゲルの組成比がTEOS:TMAPS:C_<14>-L-ValA:NaOH:HCl:H_2O=0.95:0.05:0.130:0.130:0.005:236のときに、p6mmのメソ構造を有する、ねじれた六角柱状の粒子を得た。この系では、左巻き粒子数:右巻き粒子数=73:27であった。従って、アミノ酸側鎖の嵩高さの増大がメチル基→イソプロピル基の場合は、粒子のねじれの向きに対して大きな影響を与えないと考えられるが、ねじれを生じさせる能力が維持されていることは確かである。
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