研究課題/領域番号 |
18360387
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
窪田 好浩 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30283279)
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研究分担者 |
辰巳 敬 東京工業大学, 資源科学研究所, 教授 (30101108)
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キーワード | 規則性多孔体 / メソポーラスシリカ / 不斉認識材料 / 触媒 / 吸着剤 / 界面活性剤 / 自己組織化 / らせん細孔 |
研究概要 |
18年度、アラニン誘導体、バリン誘導体を用いることにより、らせん状細孔を有するねじれたロッド状形態のキラルなAMSの合成に成功しているが、19年度は、新規アミノ酸系アニオン性界面活性剤としてL-アスパラギン誘導体(C_l4-L-AsnA)を用いて、キラルなAMSの合成を目指した。その結果、2d-hexagonal(p6mm)のメソ構造を有するAMSの合成に成功した。これまでにアラニン誘導体、バリン誘導体を用いることにより合成した、らせん状細孔をゆうするねじれたロッド状AMSと同様のメソ構造であり、比表面積は465m2/g、平均細孔径は2.5nmであった。ただし、粒子形態は円板状粒子が積み重なった円柱状であり、これまでに見られないものであった。さらに、円柱状粒子がロッド状に成長していく様子や内部に細孔が円柱の縦方向に直線的に通っていることが観測された。ねじれは観察されていないものの、ロッド状粒子の生成メカニズムに示唆を与える結果と言える。 C_14-L-AlaAおよびC_14-D-AlaAを用いて合成した、ねじれたロッド状AMS(それぞれAMS_LおよびAMS_D)を吸着剤(充填剤)とするカラムクロマトグラフィーを行い、フラクション番号と溶出した吸着質のeeとの相関を検討した。AMS_Lを吸着剤とした場合、前半のフラクションでL体リッチ、後半のフラクションでD体リッチのTFA-Ala-OEtが溶出した。また、AMS_Dを吸着剤とした場合は上記とは正反対の挙動が見られた。いずれもeeの水準としては低いが、有意な不斉認識能が観測されたと考えている。
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