研究課題/領域番号 |
18360390
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
関根 泰 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (20302771)
|
研究分担者 |
菊地 英一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90063734)
松方 正彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00219411)
|
キーワード | 非平衡放電 / メタンの酸化 / 触媒 / 低温化 / 水素製造 |
研究概要 |
非平衡プラズマは分子の運動を制限したままで、分子の励起や分解を行わせることが出来るため、プラズマ併用触媒反応によって、より低い反応温度の実現や、転化率の向上など、既存のプロセスを上回る反応が期待される。非平衡プラスマを用いた場合は、ガス温度は低く保たれたままであるため、従来高温で機能を発現した触媒が、プラズマ中の低温の気相で触媒能を発現できるか検討した。触媒が無い場合、非平衡プラズマを用いたメタンの脱水素カップリングは、高エネルギーを有する電子とメタンとの衝突で、C及びCHラジカルまで脱水素が進み、アセチレンが主たる生成物となった。反応系内でプラズマにより高濃度に存在するこれらのラジカルが重合することで、アセチレンが95%近い選択率で生成した。一方で、この反応系内に部分水素化触媒を設置し、常温常圧下でメタンの脱水素カップリングを行うと、生成したアセチレンと水素がプラズマ場中の触媒によって同時に部分水素化され、エチレンが選択的に生成されることがわかった。この場合のエチレンのワンパスでの収率は47%と高く、これまでの触媒を用いた酸化カップリングや、プラズマ系の数多くの報告において超えられない壁であった30%を遙かに上回ることができた。このように、プラズマによる活性化を併用することで、常温でも触媒の機能を発現させうることがわかった。プラズマ併用触媒反応のメリットとしては、比較的低消費エネルギーで反応が進行し、かつ気相温度が上昇しないことから、顕熱ロスが少なく、プロセスの簡略化が見込める。
|