研究課題
今年度は特に興味深い触媒挙動を示すPt-TiO_2(nt)とRh-TiO_2(nc)の壁形成のメカニズムを検討し、触媒活性・選択性との相関について検討した。両者はCO-H_2反応でいずれもメタノールを生成するが、Ptでは90%の選択性を示すのにRhでは高々20%にとどまった。XPS測定から前者の場合Ptはプラスに帯電しており、TiO_2は3価に近い状態であった。一方、後者ではRhは一部プラスに帯電したものも存在するが、主には0価でありTiO_2もほぼ4価に近い状態を示した。TiO_2壁中に高分散されたプラスに帯電した金属クラスターがメタノール生成の活性点と考えられるが、Ptの選択性が高いのは活性点の数が多いことと、TiO_2壁の特殊な電子状態のためと考えられる。高温in-situX線回折により、ナノ構造体調製後の熱処理過程を観察した。Rhの場合、調製直後のナノカプセル内部には鋳型であるRhアンミン錯体微結晶の残っていることがわかる。焼成温度を揚げていくと錯体の分解温度である300℃〜400℃付近でRh金属に帰属されるXRD回折ピークが観測され500〜600℃でルチル型のTiO2が現れる。焼成後のTEM観察ではカプセル内部に数nmのRh金属とTiO2壁中にsub-nmのRhクラスター双方の存在が確認された。一方、Ptの場合、調製直後のナノチューブ内部には既にPtアンミン錯体結晶の存在しないことがXRDやTEM観察から推定された。これはPt錯体の場合、溶解度の関係で加水分解後、Ti(OH)4壁が形成される過程で壁中に溶け出し、再結晶することで非常に微細は金属クラスターが壁中に高分散するようになるものと考えられる。
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