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2007 年度 実績報告書

定型的探餌・回避行動を誘発する化学感覚統合系のアルゴリズム解読と応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18360396
研究機関大阪大学

研究代表者

大竹 久夫  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10127483)

研究分担者 大政 健史  大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00252586)
本田 孝祐  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90403162)
キーワード化学感覚 / アルゴリズム / 定型的行動 / 脳
研究概要

昨年度までに、魚類嗅覚系の一次中枢である嗅球を対象として、カルシウムイメージング法を用いた神経活動の動的解析を可能とする実験手法を確立している。本年度は、金魚(Carassius auratus)の嗅球神経活動を、昨年度までに確立した実験手法を用いて解析した。脳が発達した高等生物では、探索行動の要素が多く複雑になる。特に水棲動物である魚類の場合、視覚からの情報もさることながら、味覚、嗅覚の両方が周囲の化学物質に対するセンサーになり得るという複雑さを持つ。そのため、探索行動のアルゴリズムを解明するためには、幅広い一般的環境情報の収集を行っているといわれる嗅覚系の神経活動の解析が必要となる。一般に魚類が高感度で感知できる匂い物質として、アミノ酸、胆汁酸、無機塩類、ステロイドが知られている。そこで本研究では、20種類のアミノ酸の混合液(各10^<-3>M)及び10^<-1>M MgSO4を匂い刺激として用いた。まず、アミノ酸を刺激として測定開始約5秒後に与えた。その結果、腹側の側部において顕著な蛍光強度変化が見られた。この蛍光強度変化は、局所的に複数の領域に別れて観察された。今回の実験においては、アミノ酸の混合液を匂い刺激に用いているため、複数の糸球体が応答し、その結果複数の反応領域が確認されたものと思われる。ゼブラフィシュの場合も、アミノ酸に応答する糸球体が腹側の側部に存在することが報告されており、本研究手法によって嗅覚応答によるデータを正しく取得できたと考えられた。一方、10^<-1>M MgSO4を匂い刺激として与えた場合には、嗅球前部の内側で反応が起きているのが認められた。この領域内に、Mg^<2+>に応答する糸球体が存在するものと推定される。匂い刺激によって嗅球での反応領域が異なる結果が得られたことは、アルゴリズム解読において、重要な成果であると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Biomimeticcontrol of mobile robots based on the chemotactic response model of Paramecium.2007

    • 著者名/発表者名
      Hirano, A., Tsuji, T., Takiguchi, N., and Ohtake, H.
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集 73

      ページ: 2757-2764

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Performance of mice in discrimation for liquor odrors: Behavioral evidence for olfactory attention

    • 著者名/発表者名
      Takiguchi, N., Okuhara, K., Kuroda, A., Kato, J. and Ohtake, H.
    • 雑誌名

      Chemical Senses (印刷中)

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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