研究課題/領域番号 |
18360400
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
根来 誠司 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90156159)
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研究分担者 |
武尾 正弘 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40236443)
加藤 太一郎 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60423901)
樋口 芳樹 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (90183574)
柴田 直樹 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 准教授 (30295753)
甲野 英彦 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20047608)
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キーワード | ナイロンオリゴマー / Arthrobacter / maloamidase / X線結晶構造解析 / 6-アミノカプロン酸 / 6-Aminohexanoate-cyclic dimer |
研究概要 |
我々は、ナイロンオリゴマー分解酵素(EI,EII,EIII)の構造進化や触媒機構を明らかにするとともに、有用アミド化合物変換への応用を目的として、同酵素群の立体構造を解析している。本研究では、6-aminohexanoate-cyclic dimer(Acd)hydrolase(EI)の触媒機構を推定するため、本酵素のX線結晶構造解析を行った。DALI-programにより類似タンパク質を検索したところ、EIは、malonamidase E2(MAE2)と高い構造類似性を示した(Z score:44.8)。酵素・基質複合体の解析では、基質分解を防ぐため、MAE2の触媒中心Ser^<155>と空間的配置が類似したEIのSer^<174>を部位特異的変異でAlaに置換し、変異酵素(EI-Ala^<174>)遺伝子をコードするプラスミドを構築した。同変異酵素を高発現・精製し、クエン酸ナトリウムを沈殿剤として結晶化後、20 mM Acdを含むcryoprotectant溶液に3時間浸漬した。SPring-8で、1.8Åまでの回折データを取得し、初期モデルを構築後、精密化を行った。酵素単独および基質複合体との重ね合わせから、i)Ser^<174>-OHはアシル中間体形成における求核基となる、ii)oisSer^<150>を中心にSer^<174>,Lys^<72>、Acdアミド窒素への水素結合ネットワークが存在し、これらが触媒中心を形成すると考えられた。また、基質複合体中のAcdは、分子モデル上で酵素分子内部に埋没しており、基質結合・生成物遊離の際、酵素が構造変化を起こすと推定した。
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