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2006 年度 実績報告書

宇宙環境シミュレータによる次世代イオンエンジン搭載宇宙機のプラズマ干渉解析・評価

研究課題

研究課題/領域番号 18360405
研究機関京都大学

研究代表者

臼井 英之  京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (10243081)

研究分担者 國中 均  宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (60234465)
大村 善治  京都大学, 生存圏研究所, 教授 (50177002)
キーワードイオンエンジン / プラズマ干渉 / プラズマシュミレーション / 宇宙機 / 宇宙環境 / 電子中和 / 宇宙環境シュミレータ / 帯電
研究概要

平成18年度は、イオンエンジンプラズマ干渉解析用数値シミュレータの開発とそれによるイオンビームプラズマ干渉に関するシミュレーション解析に着手した。
シミュレータ開発については、これまでの一様プラズマモデル内に、イオンスラスターからのイオンビーム、中和電子放出、イオンスラスターを含む衛星形状、表面素材特性(誘電体特性や光電子、2次電子放出)、スラスター近傍CEX効果などを数値的に扱えるように工夫を加え、数値チェンバー内でイオンエンジン利用に起因するプラズマ干渉の解析がバーチャルに行えるようにする。現在、衛星形状、誘電体特性、光電子放出などのモデリングを終えたが、CEX効果などは来年度の課題となる。次に、数値シミュレータを用いたプラズマ干渉解析に関しては、イオンスラスター近傍におけるイオン-電子ダイナミクスの違いによって生じる電流駆動型プラズマ不安定性の解析に着手した。数キロボルトで加速されたイオンビームと熱放出された中和用電子の間には正味の速度差があり、これによりスラスター近傍においてBuneman不安定性などの電流駆動型ビーム不安定が生じる可能性がある。この種の不安定性が生じると、静電的な電位擾乱が生じ、これによって電子、イオンの加速もしくは逆流が生じる可能性があり、スラスターのみならず衛星表面の帯電、スパッタリングへの影響も考えられる。今年度行った準備的なシミュレーションでは、このプラズマ不安定性がどのような状況のときに生じるかという観点で、イオンビーム速度と電子の熱速度の比をパラメータにして解析を行った。結果としては、その比が大きい場合には電流駆動型のプラズマ不安定性が生じ、スラスター近傍での電界擾乱が見られたが、スラスターからある距離はなれた領域では、おおむね、イオンビームは電子により中和されていることが明らかになった。このスラスター近傍の電界擾乱領域は、イオンビーム速度と電子の熱速度の比に依存することも明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Development and Application of Geospace Environment Simulator for the Analysis of Spacecraft-Plasma Interactions2006

    • 著者名/発表者名
      H.Usui, Y.Miyake, M.Okada, Y.Omura, T.Sugiyama, K.T.Murata, D.Matsuoka, H.O.Ueda
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on plasma science Volume 34, Issue 5

      ページ: 2094-2102

  • [雑誌論文] Experimental simulation of spacecraft charging by artificial ion-beam emission2006

    • 著者名/発表者名
      I.Funaki, H.Usui, Y.Nakayama, H.Kuninaka
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on plasma science Volume 34, Issue 5

      ページ: 2031-2037

  • [図書] Advanced Methods for Space Simulations2007

    • 著者名/発表者名
      H.Usu i, Y.Omura (Edit)
    • 総ページ数
      360
    • 出版者
      TerraPub

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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