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2006 年度 実績報告書

CFPR積層板機械ピン継手の疲労内部損傷の進展と強度に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18360407
研究機関九州大学

研究代表者

高雄 善裕  九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30108766)

研究分担者 汪 文学  九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40240569)
キーワード複合材料積層板 / 継手 / 疲労強度 / 損傷解析 / 限界損傷
研究概要

CFRP擬似等方性板のピン継手についてベアリング疲労試験を行い、静的引張りでの強度や損傷進展と比較検討し以下の結論を得た。
1.疲労による明瞭な強度低下が認められる。また、[90/±45/0]_<3S>の疲労強度は[0/±45/90]_<3S>の場合より大きい。この傾向は静的引張強度の場合と同様であり、[90/±45/0]_<3S>における表面層繊維の横方向の連続性により横方向変形が抑制されるためである。
2.疲労の荷重-伸び曲線には当初よりヒステリシスがあり、繰返し数の増大と共にヒステリシス・ループは負荷方向に移動する。前者はピンとCFRP孔の界面の摩擦に起因し、後者の移動は損傷進展に対応する。ループの変位幅と移動量は更に増大するが、これは損傷進展が一層加速していることを意味する。
3.疲労内部損傷の進展は次の通りである。
まず、表面第1(表面層が90度層の場合は2番目の)層間に剥離が発生する。0度層の圧壊も発生する。繊維方向が90度違う界面や表面に近い界面にも剥離が現れる。静的負荷の場合に比べ表面0度層の剥離はかなり長い。次には、既存剥離の成長や0度層圧壊下部からの界面剥離が発生成長する。更には、0度層損傷下部(多くは圧壊だが、キンク状の物もある)から剥離に加えほぼ下側45度方向にせん断マトリックス・クラックが進展する。最後に、損傷セットが連結し、複数の楔型の最終破壊形態ができる。静的負荷時の最終破壊形態に比べ剥離の開き量が大きい。
4.疲労内部損傷の主な特徴は次の2点になる。剥離の割合が大きい;最終破壊のトリガーとなるのが静的負荷時のようなキンクではなく主に圧壊である。
5.全円孔試験片の静的負荷時の強度と内部損傷は、半円孔試験片で得られた従来の研究結果と大略同じであるが、円孔リガメント部による横方向変形への抑制効果により、[90/±45/0]_<3S>と[0/±45/90]_<3S>の強度差が小さくなる。また、この抑制効果により、[0/±45/90]_<3S>試験片でも最終損傷形態は複数の楔型状となる。
これらの研究結果は日本複合材料学会誌に投稿している。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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