研究概要 |
H19年度までの実験解析で継手部の非弾性変形量がCFRP機械ピン継手の疲労損傷パラメータとして妥当であることを示し、その大まかな意義を捉えた。そこで,非弾性変形増加量が最終破壊時に急上昇することから,破壊予測方法の検討を行うことを計画の1つにした.更に,他の継ぎ手についても解析を行う事とした. (1)従前の実験結果を総括し,更に追加実験を実施し,機械ピン継ぎ手の静的負荷から高サイクル領域まで,連続的に変化して行く損傷連鎖図を示した. (2)(静的;低サイクル疲労;高サイクル疲労)において,ピン中心と円孔中心の相対位置(不動;摩擦の不安定現象での変動;同左),限界損傷(キンク;キンクが主+キンク様損傷と崩壊進展;キンク様損傷が主+キンクと崩壊進展),耐荷限界での全内部0度層の状況(キンク;殆どキンク;殆どキンク様損傷),剥離(短く細い;少し長く巾がある;長く巾がある),剪断母層亀裂(最大負荷では少なくその後に成長;限界伸びでは少なくその後に成長;限界伸びでは少なく,その後に有る程度は成長)の違いがある. (3)しかし,限界となる非弾性変形量は,昨年度までの50μmに対し,今回は35μmであった.同じような用途材では同じような損傷パターンが発生するものの,耐荷限界の疲労指標となるピン円弧の非弾性変形量は,素材メーカーによって変わる材料定数となった. 以上の内容は第50回構想と強度に関する講演会で報告した. (4)その他の計画については,ボルト継ぎ手の損傷をピン継ぎ手と比較した解析を実施した.また,積層板として注目されているFRL形式の複合材ピン継ぎ手の損傷解析を実施した.後者はACCM国際会議で講演発表した.
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