研究課題/領域番号 |
18360408
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
藤井 裕矩 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (30070650)
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研究分担者 |
草谷 大郎 首都大学東京, システムデザイン研究科, 客員研究員 (40404941)
内山 賢治 日本大学, 理工学部, 講師 (90281691)
大塚 敏之 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教授 (40272174)
能見 公博 香川大学, 工学部, 助教授 (20325319)
渡部 武夫 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (40433180)
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キーワード | 宇宙インフラ / 機械力学・制御 / 計測工学 / 航空宇宙工学 / 微小重力 |
研究概要 |
本研究の特色は、テザー技術の実利用においてネックとなる動特性に関して、システム工学的研究を行うという具体的な照準を持っていることにある。本年度は実験モデル群を構成し、動特性の問題点を:1)スラック状態の解決;2)微少重力環境の克服;3)テザーの柔軟性、の3つの重点課題を中心に検討を展開している。 理学と工学の応用面からシステム工学的な検討を実施するため、実験機器群を整備した。この実験機器群は、上記の3重点課題を元に、1)に対しては、藤井が内部張力を与える手法を開発してから多くのテザー伸展・改修機構に用いられているが、究極の方法として常にモーターがスラックを避けるように動的に制御されるような機構を研究した。従来、ソフト解析においては張力がゼロ以下になったときには張力が働かないような非線形バネによってモデル化されることが多いため、より実際的で有効な指標を求め実験的にスラック状態を解決する手法を考案した。これは、モーターの動作命令系統の開発と無接触な挙動計測系の援用などがキーポイントである。2)に対しては、重力傾斜により得られる重力は微少とはいえ、受動安定化など宇宙空間では極めて有用である。このため、宇宙環境模擬実験解析に、センサ・アクチュエータ・システム、構築に必要なテザー・多剛体系を、システム工学的に解析して実験プログラムを検討しており、レバレッジ効果を用いた低張力センサの開発がキーである。3)に対しては、特に深く研究している。テザーの振動特性について、周辺構造物、モーター、リンク、伸展・改修機構などの力学的な特性を関連させたシステム的な構造体として取り扱い、さらに実験研究をべースにした制御系の展開による総合的な研究を実施し、第2年次も継承していく。 現段階の成果として、国際会議等で発表したほか、2件の特許を出願をしている。
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