研究課題/領域番号 |
18360409
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
宮地 孝 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20013401)
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研究分担者 |
長谷部 信行 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10127904)
宮島 光弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50044756)
岩井 岳夫 東京大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30272529)
武智 誠次 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40336764)
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キーワード | 超高速微粒子衝突 / スペースダストモニター / その場計測型微粒子検出器 / 圧電性PZT |
研究概要 |
熱特性について報告する。静的動作から素子感度に顕著な温度依存性あると予想された。素子を室温〜150℃において粒子照射して動特性を調べた。その結果、温度依存性を確認できなかった。この予想外の原因解明は今後の課題である。 構造体の強度試験を予定していた。ISSへの搭載を申請したが、地上実験不足との理由で不採択であったので強度試験を実施しなかった。 クロストークを調べた。加速器放出粒子の衝撃では有意の影響を認めることがなかった。なお雑音信号との識別の問題があり再度照射の機会を得てテストする。 耐放射線特性について、PZT素子に直接Xeビームを照射し、信号を確認した。1平方mm当り10億個程度の照射量では感度の変動を認めることがなかった。 事象の真偽判定アルゴリズムとして衝突位置が素子有感領域に一義的に存在する処方を採用した。このため、素子電極の配列と論理回路及び論理構成を考察した。ビーム照射してテストした。雑音レベルが低い環境ではこの方法はとりうる。しかし雑音レベルが信号と同程度の場合検討の余地がある。真偽判定はデータ転送の問題とも関連するので継続して研究する。 検出器校正は広範囲な領域で実施されるので地上実験で実証した範囲を超えよう。校正に供される経験則は状態の概念を基礎にした広い適応能力を有する必要がある。状態を記述するため温度は重要な物理量なので、黒体輻射を仮定し温度を測定した。 従来低速域での衝突データがあるので、速度20km/s以上の領域に着目した。照射実験の結果高速領域の温度は従来の実験則で推定される温度よりかなり高温であった。その主な理由として衝突で作られる微少ダストが輻射光を遮断すると推察する。 温度はPZT検出器校正の課題を含む広範な分野で基本的な物理量なので継続して研究する。
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