• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

λ圧力近傍の超流動ヘリウムで観測される強い伝熱促進効果の解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 18360410
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

木村 誠宏  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 研究機関講師 (10249899)

研究分担者 仲井 浩孝  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究機関講師 (00188872)
佐々木 憲一  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 助手 (70322831)
岡村 崇弘  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (90415042)
岩本 晃文  核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00260050)
キーワード超流動ヘリウム / 宇宙機器の冷却 / ノイジー膜沸騰 / 伝熱促進効果 / 微少重力 / 自由落下塔 / 過熱(スーパーヒート)He II / 粘性フィンガリングパターン
研究概要

本研究の目的は、自由落下塔の微小重力環境を利用して飽和超流動ヘリウムの沸騰現象の実相解明である。加えて飽和超流動ヘリウム(He II_s)固有の沸騰現象であるノイジー膜沸騰が持つ伝熱促進効果を宇宙用観測機器の冷却への応用を計ることにある。
平成18年度は、自由落下用小型軽量クライオスタットの設計の製作並びに単体での性能確認試験を行った。また、独立行政法人産業技術総合研究所が北海道に所有する電磁ブレーキ付自由落下塔設備とのインタフェースを確認し、接続に必要な関連機器の設計を行った。
前述の準備作業と平行してノイジー膜沸騰発生機構の基礎実験を行った。実験では透明ヒータ(酸化インジウム薄膜)とガラスとを組み合わせた狭小2次元流路を作成し、シャドウグラフ法とハイスピードカメラによりその相転移現象を可視化観測した。
本実験において撮影されたHe II_s中と加圧されたHe II中での沸騰開始期の可視化映像から、He II_s中と加圧されたHe II中では沸騰の様相が全く異なることが新たに判明した。加圧下ではヒータ中央にHe II-He I界面が広がり、その内部から蒸気膜が成長する様子が確認された。また、蒸気膜の成長に伴って重力の影響を受けた蒸気膜は変形し、上方に流れるが、沸騰開始の時点では重力の影響を受けない完全な円状で始まることが理解された。
これに対し、He II_sでは沸騰開始はヒータ中央からは外れた複数の沸騰核から蒸気膜が成長する。このとき過熱(スーパーヒート)He II-He Iと考えられる境界面は捕らえられていない。蒸気膜の成長速度は、加圧下のそれと比べて非常に早く、蒸気膜は相互に干渉しあい変形して発達することが理解された。現れたパターンは狭小流路内の液体ヘリウム中に拡がる気液界面が非常に速い速度で広がることに起因した粘性フィンガリングパターンと推測される様子が観測された。

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi