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2008 年度 実績報告書

λ圧力近傍の超流動ヘリウムで観測される強い伝熱促進効果の解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 18360410
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

木村 誠宏  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 講師 (10249899)

キーワード自由落下塔 / 微小重力 / 超流動ヘリウム / 膜沸騰 / 熱伝達率 / 液頭圧 / Rayleigh-Taylor不安定性 / Van-der-Walls圧力
研究概要

微小重力下において超流動ヘリウム(He II)の熱流動現象がどのように振舞うかという問題は、物理的な興味のみならず、超伝導磁石を用いた高エネルギー宇宙線観測計画(AMS-02)においても工学的な研究テーマとなっている。そこで、開放空間型の自由落下塔を用いた実験が容易に繰り返すことができるHe IIの熱流動現象の可視化実験を提案した。平成20年度は前年度に引き続き。自由落下塔を用いた微小重力下での超流動ヘリウム膜沸騰実験を行った。実験装置を前年度よりコンパクト、軽量にするセットアップの開発、小型容器に超流動を作り出す実験工程の作成などに尽力し、実験成功に寄与した。これにより、昨年度に行われた実験から大幅に改良された微小重力実験が成功し、世界的にも類を見ない超流動ヘリウム中の膜沸騰実験を微小重力下で行い、その光学的可視化・ヒーク温度測定・ジッター計測等の同時計測結果を取得することが出来た。
実験の解析からRayleigh-Taylor不安定性を伴う細線ヒーター廻りの膜沸騰が、重力環境(=1G)から微小重力環境下(<1mG)に遷移することに伴って、その不安定性が変化することを確認した。また、沸騰熱伝達の臨界熱流束に関して、Van-der-Walls圧力の補正項を含めた式で説明できる可能性がある実験データを得ることができた。
その結果として論文2編の執筆と4件の学会発表等の成果を得ることが出来た。本実験は、世界で初めての自由落下塔を使った微小重力環境下でのHe II中の膜沸騰の可視化であるということから、平成20年10月に行われた米国物理学会流体力学部門のサテライトワークショップに招待を受けるなど評価を受けた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] The hydrodynamic and heat transfer characteristics of film boiling modes in He II2009

    • 著者名/発表者名
      高田卓, 他
    • 学会等名
      FJPPL KEK-Saclay joint workshop
    • 発表場所
      つくば・KEK
    • 年月日
      2009-03-24
  • [学会発表] Visualization study of film boiling in saturated He II under low gravity environment2008

    • 著者名/発表者名
      木村誠宏, 他
    • 学会等名
      ICEC22-ICMC2008
    • 発表場所
      韓国・ソウル
    • 年月日
      2008-07-22
  • [学会発表] Vapor behavior around a thin wire during film boiling in He II under atmospheric down to saturated vapor pressure condition2008

    • 著者名/発表者名
      高田卓, 他
    • 学会等名
      ICEC22-ICMC2008
    • 発表場所
      韓国・ソウル
    • 年月日
      2008-07-22
  • [学会発表] 自由落下塔の微小重力環境で用いる He II用可視化実験装置の開発2008

    • 著者名/発表者名
      木村誠宏, 他
    • 学会等名
      超電導低温工学会
    • 発表場所
      東京・明星大学
    • 年月日
      2008-05-26

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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