研究課題
太陽系を脱出して遥か彼方へ飛翔するためには、推進剤を全く利用せずに太陽エネルギーを直接推進力に変換する宇宙推進(propellantless space propulsion)が理想的である。しかし、propellantless propulsionは宇宙機単位質量あたりの推力が小さくて宇宙機の加速に10年もの長期間が必要となることから、太陽系外惑星探査ミッションには不向きと考えられてきた。近年、propellantless推進とプラズマ推進を組み合わせる事で、急加速と持続力のある加速を両立させる技術が注目されており、そのひとつが、ここで取り上げる磁気プラズマセイル(Magnetoplasma Sail, MPS)である。太陽風プラズマ流を宇宙機のつくる磁気圏で受け止めて推進するMPSは、プラズマ物理と宇宙機システムの双方の面で挑戦的であるが、低コストな太陽系探査を短期間で実現する可能性を秘めている。このMPSの推進性能を予測するため、1)電磁流体モデルに基づく数値シミュレーション、2)イオン粒子スケールを取り扱い可能なハイブリッド数値シミュレーション、3)MPSが宇宙空間にて動作する状況に相似なスケールモデル実験、の3つを並行して実施している。平成18年度は、数値解析ツールの準備と予備的なシミュレーションを行うと共に、太陽風プラズマ流を模擬する太陽風シミュレータ、磁気セイルを模擬するコイル、そして、コイル磁場を広範囲に広げるためにコイル近傍からプラズマを噴射していわゆる磁気プラズマセイルの動作とするための磁場拡大用プラズマ源の3つと、これらの駆動系から構成されるMPS地上実験シミュレータを構築した。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件)
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