研究課題/領域番号 |
18360413
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
藤田 和央 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部・空気力学研究グループ, 主任研究員 (90281584)
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研究分担者 |
鈴木 俊之 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部空気力学柵究グループ, 研究員 (20392839)
松山 新吾 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部空気力学研究グループ, 研究員 (60392841)
松川 豊 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部空気力学研究グループ, 宇宙航空プロジェクト研究員 (10392846)
酒井 武治 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90323047)
口石 茂 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部風洞技術開発センター, 研究員 (60358596)
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キーワード | 航空宇宙流体 / 非平衡気体力学 / 輻射熱伝達 / 熱防御システム / 分光学 |
研究概要 |
衝撃波背後の熱的・化学的非平衡を解明する実験手法としてH18に開発した自由ピストナ2段隔膜衝撃波管の運用を開始し、その動作確認と性能計測を行って、当初計画した目標値を逹成したことを確認した。衝撃波速度は最大で12.6km/s(雰囲気圧15pa中)であり,HAYABUSAサンプルリターンカプセルクラスの超軌道再突入環境はもとより、LEOからの大気再突入など、広範囲の気突入システム飛行環境が安定して(高い再現性で)実現できることが確認された。 衝撃波背後の短時間現象まを捉える計測技術として、レーザーシュリーレン法を用いた衝撃波面計測装置を開発し、衝撃波内後の密度の跳躍を空間精度0.4mm程度で検出することに成功した。これと補助装置としての圧力センサーによる光学計測機器へのトリガを発生させ、光学計測対象と衝撃波面との相対位置を0.4mmの空間解像度で対応づけることが可能となった。上記トリガを受けて衝撃波背後の過渡的現象を高い時間解像度で捉える計測システムとして、第一に、イサージング分光器とマルチスポット光ファイバーを用いた多点同時分光システムをとして、第一に、イサージンマグ分光器とマルチスポット光ファイバることに成功した。本システムを開発し、衝撃波背後の密度の眺躍を精度0.4mm程度検出することに成功した。これと補助装置としての圧力センサーによる光学計測機器へのトリガを発生させ、光学計測対象と衝撃波面との相対位置を0.4mmの空間解像度で対応づげることが可能となった。上記トリガを受けて衝撃波背後の過渡的現象を高い時間解像度で捉える計測システムとして、第一に、イメージング分光器とマルチスポット光ファイバーを用いた多点同時分光システムを開発し、衝撃波背後で4mmまたは1mm間隔でスペクトルを取得することに成功した。本システムを利用してN2の2+と1+についてスペクトルを取得し、スペクトルフィッティング法により温度を決定した結果、N22+と1+の温度変化に違いが認められ、見かけ上2+の方が1+よりも遅い緩和特性を示すことが分かった。これは2+がケミカルルミネッセンスによる発光の影響を受けていることに起因すると考えられるが、正確な原因はつかめておらず、H20年度の課題として提起された。第二に、基底状態の内部モード励起状態を直接計測する手段として、真空紫外光源を用いた真空紫外吸収分光システムの開発行った。運用はH20年度を予定している。 解析においては、量子論的解析および状態遷移理論による微視的モデルの開発の手法を確立し、N2-N2の高温域における緩和・乖離モデルを開発した。この研究では、まず量子論的解析コードGAUSSIANO3を用いたab initio雷子軌道解析により分子間ポテンシャル面を計算し,これに解析式を与えてPESとした。高エネルギー領域まで定義されたN2-N2システムのPESは世界初である。一次に本PESを用いてN2-N2システムのQCT法による進言曲的軌道解析を行い、状態遷移速度係数、回転/振動緩和時間、および解離速度係数を決定した。得られた結果はこ実験データの存在する低温領域で実験と良い一致を示し、高温域では従来モデルを外挿したモデルに若干の修正を加えることで適用可能であることが確認された。高温域での内部モード緩和・乖離レートを検証したのは世界で始めてである。
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