本研究は、荷重負荷領域の形状と寸法を自由に作製できる、シート型のロードセルを開発することを目的とする。シート型ロードセルは、圧電フィルムの両面に所定厚さのゴム薄板を接着した本体と、荷重負荷物とセンサとの間の摩擦影響を除くカバー部材からなる。本研究では次の2種類のシート型ロードセルを開発した。 1、ンサ本体とカバー部材の間にオイル膜を生じさせて摩擦影響を除く柔軟タイプのシート型ロードセル。 2、ンチングメタルをセンサ本体の両面に張りつけて、衝撃力を分散してセンサ本体に負荷するようにした剛性板タイプのシート型ロードセル。 両シート型ロードセルは、厚さが約5mmで、センサ寸法は切手寸法から座布団寸法まで任意の形状寸法に作製できる。また、葉書寸法のシート型ロードセルで重さが50gから200gと、従来の金属製のロードセルに比べてはるかに軽量であり、価格も安価に製作出来る。また、上記(2)では、センサの周辺を防水処理して水中で使用できるタイプも開発した。 金属製のロードセルと荷重波形を比較したところ、本研究で開発したシート型ロードセルは、計測誤差5%以下の精度を有し、高速な衝撃荷重に対しては、質量が軽いため、衝撃後の残余振動が生じない等のメリットがあることが確認できた。来年度は、さらに精度の高いシート型ロードセルを開発して、これを船舶や海洋構造物の艤装品の振動荷重の計測、波浪による動的な力の計測、高速船の水撃やスロッシングなどの変動荷重の計測に適用し、その結果を船舶設計などに利用することを考えている。
|