研究課題/領域番号 |
18360420
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安澤 幸隆 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (10191123)
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研究分担者 |
吉川 孝男 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (50380572)
前田 正広 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (70173713)
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キーワード | 接水振動 / 固有振動数 / 付加水質量 / 呼吸モード / 強制加振 / 周波数応答 |
研究概要 |
まず、各社における機関室周辺のタンク構造の振動トラブルに関するデータを収集するための振動データシートのフォームを決定し、そのフォームに従って、造船会社よりデータを収集した。そのデータシートのデータをもとに、タンクの形状とサイズ、防撓形式、計測された振動数、推定された振動数、加熱の有無などを整理し、分析を行った。 また、従来のタンク壁の振動推定に用いられている設計式(主に船級協会のガイドラインに示されている設計式)について調査を行い、検討をおこなった。実船のデータを検討した結果、呼吸モードと思われる明らかに低い振動数で振動しているものが多数あり、本研究における今後の詳細な検討の対象とした。 収集されたタンク構造のデータを元に、船体機関室周りの狭隘タンクの典型的な構造を模擬した実験室試験用小型液体積載用タンクをアクリル材で製作し、清水を積載した状態でインパクト加振法および鉛直方向の強制加振法タンクの強制加振実験を行い、本研究費で購入した多チャンネルFFTアナライザーを用いて、タンク側面のすべての格子点に対して、上記の周波数領域における振動応答特性を調べた。本研究では、(1)無補強矩形タンクと(2)鉛直方向補強タンクの2つのタンクを製作して実験を行った。 また、汎用有限要素解析プログラムNASTRANを使用し、仮想質量機能を利用して数値解析を行った。 その結果、以下のことがわかった。 同じ計測点での周波数応答関数曲線図を比較するとインパクト加振法による実験よりも上下方向強制加振実験を行ったときの方が呼吸モードの固有振動数時の応答が顕著に表れることがわかった。すなわち、インパクト加振法による実験では呼吸モードが励起されにくいことが確認できた。それに対して上下方向強制加振実験では呼吸モードすなわち低次の固有振動数における応答が顕著に表れることがわかった。 また、汎用有限要素解析プログラムNASTRANを使用し、仮想質量機能を利用した解析では、低次モードに関して十分な精度で固有振動数が推定できないことがわかった。
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