ウォータージェット推進時の船体まわり流れシミュレーションのために以下の技術について開発を行った。 1.ウォータージェット推進時の姿勢変化推定 昨年度までに開発した曳航状態における姿勢変化計算ルーチンにウォータージェット推進器およびダクトに働く流体力を加味することにより、ウォータージェット推進時における姿勢推定が可能となった。 2.システム統合 自由表面流れの計算ルーチン、ウォータージェット推進器モデル、高速航行時の姿勢推定ルーチンが揃ったので、これらすべてを組み込んだウォータージェット推進時の船体まわり流れシミュレーション法として完成させた。本手法による計算を実施し実験結果と比較して妥当な結果が得られることを確認した。 以上により、ウォータージェット推進船まわりの流れ場を、曳航状態および自航状態の両状態において解析することが可能となり、実験的な手法のみでは困難であったウォータージェット推進船の推進性能解析のためのツールが完成した。今後は検証事例を増やして実用化ツールとしての完成度を高めていく予定である。
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