研究概要 |
本研究は、新しく開発されたボアホールジャッキ式乾式破砕プローブ(以後、“乾式プローブ"と呼ぶ)の原位置高精度計測への適用性の確立をめざし、室内要素試験および原位置試験により乾式破砕プローブの有効性の実証を行うことを目的とする。 平成18,19年度においては、小型ジャッキと一軸載荷装置を用いて、き裂生成およびき裂の再開口に関する性能評価を行った。特に円孔の大きさと小型ジャッキの直径との関係をパラメータとして、小型ジャッキの感度係数を求めることと、き裂再開口の挙動を明らかにすることを目的とした。この結果、小型ジャッキの感度係数が約0.6(従来の感度係数は約0.4)に向上したことと、き裂の再開口時の挙動に明らかな変曲点を見いだすことができた。 今年度は、き裂変位を効率的に計測する手法の一つとして、光ファイバーを利用したき裂変位計を開発するための基礎的な実験を行った。光ファイバーによるひずみの計測は、従来の電気式ひずみゲージに比べ、約100mm間の範囲を連続的にひずみ分布を計測することが可能であるため、ボアホールジャッキ式乾式破砕プローブのき裂変位センサーとしては極めて有効である。また、電気を用いないため原理的に絶縁不良等のトラブルが発生しない長所を有している。今回は、昨年度の実験で利用した小型ジャッキに光ファイバーを利用したき裂変位を追加し、別途計測するひずみ計との比較において新しいき裂変位計の可能性について評価した。 また、これまでの成果を国際学会における招待講演として発表した。
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