研究課題/領域番号 |
18360436
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
酒井 伸一 京都大学, 環境保全センター, 教授 (90170555)
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研究分担者 |
滝上 英孝 国立環境研究所, 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター, 主任研究員 (00353540)
平井 康宏 京都大学, 環境保全センター, 准教授 (40391148)
浅利 美鈴 京都大学, 環境保全センター, 助教 (10432337)
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キーワード | 残留性化学物質 / 物質循環フロー / 社会行動モデル / リサイクル / 環境動態 |
研究概要 |
循環型社会における残留性化学物質の制御に向け、社会循環と環境移動を統合した循環系モデルを構築することをめざした取り組みを行った。成果の要点は下記のとおりである。 1) 臭素系難燃剤フローモデルのパラメータ取得研究 難燃製品を多く使用していると予想されるホテルの室内ダスト及び室内空気中の臭素系難燃剤(BFRs)調査を行った結果、ダスト中BFRs濃度は採取したフロア間で異なり、発生源の局在性がダスト中濃度に反映された結果と考えられた。空気清浄機の設置による室内空気中BFRs濃度の低減効果について評価を行ったところ、室内空気中のガス態および粒子態BFRsの削減が可能なことが示唆された。3ヵ年の調査研究により、製品使用から廃棄、リサイクル過程におけるBFRsの挙動パラメータについて獲得でき、併せて集塵によるBFRs制御対策の有効性について検証できた。 2) 残留性化学物質の社会循環と環境移動の統合モデリング研究 臭素系難燃剤の大気排出インベントリ作成、再生プラスチック分析結果を念頭において、PBDEsの環境動態モデルを作成、実測環境濃度からの妥当性を検討した。 3) リサイクル行動の社会動態とモデリングに関する研究 使用済みとなったニカド電池内蔵製品についての廃棄行動は、使用済みとなってから1年後まで退蔵される割合が5〜7割と高いこと、関連の対象製品については7割程度が不燃ごみへとして廃棄されており、約1割が可燃ごみとして廃棄されていることが分かった。カドミウムの国内フロー解析からは、ニカド電池の循環利用がカドミウム管理において重要であることが示唆され、今後、アジア各国での循環・廃棄の実態把握が課題と考えられた。鉛もレジ袋やブラウン管テレビなど廃棄行動やリサイクル行動の動態を考慮する必要がある。
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