研究課題/領域番号 |
18360438
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
倉持 秀敏 独立行政法人国立環境研究所, 環境型社会・廃棄物研究センター, 主任研究員 (50353537)
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研究分担者 |
大迫 政浩 独立行政法人国立環境研究所, 環境型社会, 廃棄物研究センター・室長 (00260266)
前田 光治 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00264838)
山本 貴士 独立行政法人国立環境研究所, 環境型社会, 廃棄物研究センター・主任研究員 (10240102)
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キーワード | 廃食用油 / バイオデイーゼル / 相平衡 / UNIFAC / 分離精製 / 前処理技術 |
研究概要 |
廃食用油または劣化した廃食用油の固形物であるトラップグリースの組成に関して既報の学術論文や国内外の報告書や資料などを収集・整理し、同時に廃食用油系の相平衡測定に必要な分析法を整備した。文献の収集・整理から、燃料成分であるトリグリセリドとしてはトリオレイン、反応阻害物質である遊離脂肪酸としてはパルミチン酸、さらに阻害物質である水を加えた混合系を廃食用油モデル系として組み立て、このモデル系の基本的性状を把握するため、固液平衡(SLE)、液液平衡(LLE)および気液平衡(VLE)を測定する装置を作成した。SLEの測定ではトリオレイン-パルミチン酸系を、LLEの測定では水-トリオレイン系の測定を行い、VLEの測定については、水-トリオレイン系の測定を試みた。さらに、水-トリオレイン-パルミチン酸系の固液液平衡の測定やパルミチン酸-トリオレイン系のゲル化実験を行い、相平衡の立場からモデル系の様々な性状を把握した。 本研究では、廃食用油を含む廃油脂類の軽油代替燃料化としてバイオディーゼル燃料(BDF)化を考えているため、BDF化に関する既報の論文、報告書、発表資料を基に、廃食用油の品質向上技術として適用可能な前処理技術を抽出した。さらに、相平衡の観点から、これらの前処理技術を適用するための分離精製技術に関する基礎試験を行うとともに、前処理技術を高速化するための良溶媒添加法を提示し、それを実験的に検証するための相平衡測定を行った。最後に、次年度以降に行う前処理プロセスの設計には相平衡推算モデルが必要となるため、化学プロセスの設計によく使われるUNIFACモデルに着目し、そのモデルの推算モデルとしての適用性を評価した。
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