研究課題/領域番号 |
18360442
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 良夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30193816)
|
研究分担者 |
大塚 裕介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70294048)
西川 雅弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特任教授 (50029287)
|
キーワード | Nd / YAGレーザー / タングステン / 間欠的熱負荷 / プラズマ対向材料 / ELM(エルム) |
研究概要 |
トカマク型核融合プラズマ閉じ込め装置において、ELM(エルム)を呼ばれる間欠的にプラズマ対向壁材料に熱負荷が与えられる現象がある。本研究では温度の最大値が融点以下となる条件下で、繰り返し熱負荷が材料に及ぼす影響を評価する。具体的には、残留ガス圧を変化させて、特にタングステンの酸化の影響を調べたこと、及びタングステンに加わる熱応力の評価を行い、実験結果と比較したことが主たる成果である。レーザーはELMのパルス幅(0.1ms〜1ms)に近づけるため、ロングパルスモード(Qスイッチオフ)で運転した。 残留ガス圧が10^<-1> Torrと10^<-4> Torrの場合に、レーザーのエネルギーフルエンスを5J/cm^2から100J/cm^2に変化させ、繰り返し照射の影響を見た(タングステンのエネルギー吸収率は約30%)。5J/cm^2のエネルギーフルエンスで繰り返し照射を行った場合、残留圧力が低い場合(10^<-4> Torr)は、1万回の照射でも特に変化はなかったが、残留圧力が高い場合(10^<-1> Torr)は表面の荒れが観測された。タングステンの表面が酸化され、融点等の物理的特性が大きく変わったためと判断される。 エネルギーフルエンスを上げ、50J/cm^2で照射すると1ショットで照射部の中央に亀裂の発生が観測された。レーザーのエネルギーフラックスの径方向分布と時間変化を測定し、その測定値を使ってビーム中心での径方向引っ張り応力を有限要素法を用いて計算すると、破断応力を越えていることが明らかになり、中心の亀裂はこのことが原因で生じたと考えられる。
|