研究課題/領域番号 |
18360443
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
徳永 和俊 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (40227583)
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研究分担者 |
坂本 瑞樹 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (30235189)
江里 幸一郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究員 (30354624)
鈴木 哲 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究員 (60354619)
谷川 尚 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究員 (70370426)
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キーワード | 核融合 / プラズマ・壁相互作用 / ダイバータ / 高熱負荷 / 水素同位体 / ヘリウム / パルス負荷 / タングステン |
研究概要 |
本年度は、粉末焼結タングステン材(PM-W)に加え、各種改良タングステン材に対して実験を進めた。また、各種実験装置を用い、ELM時の熱負荷摸擬実験、水素/ヘリウム照射実験等を進めた。以下に、主な結果を示す。 (1)圧延方向が表面に対して垂直及び平行の2種類の粉末焼結W、La(0.86wt%)ドープW、K(0.003wt%)ドープW、超微細結晶粒W(W-0.5wt%TiC-H2及びW-0.5wt%TiC-Ar)に対して、ELM時の熱負荷に相当するするパルス高熱負荷実験(1.8GW/m^2、0.6ms)を行った。超微細結晶粒Wは、それぞれ、製造の際のメカニカルアローイング(MA)時に水素及びAr雰囲気中で作製したものである。粉末焼結Wは、照射部分の中止部分の表面が、薄く熔融凝固しているが、クレータや液滴等は観察されない。一方La(0.86wt%)ドープWでは、中心部分が溶融凝固し、溶融部分は波状の凹凸が形成されている。K(0.003wt%)ドープWでは、凹凸は少ないものの突沸した跡等が観察された。超微細結晶粒Wでは、MAをAr雰囲気中で行ったものでは、波状の溶融凝固部分が観察されたが、H_2雰囲気中で行ったものでは、中心部分か比較的薄く平坦に溶融凝固している。特に、K(0.003wt%)ドープW及びW-0.5wt%TiC-H_2は、このパルス熱負荷による損耗量が少なく損耗特性が良好である。また、それぞれ、粉末焼結Wと比較し優れた特性を持っていることから、改良材として有望であることが明らかとなった。 (2)超微細結晶粒W-TiC合金(W-0.5wt%TiC-H_2)及び粉末焼結W(PM-W)にダイバータの表面材料の負荷条件に近い高粒子束D-He混合プラズマを照射し、表面形状・組成及び断面組織変化を調べた。照射温度が、ダイバータのターゲット部分に使用された際の使用温度付近である1123Kでは、表面は黒色化し、ナノ構造を持つ繊毛状の構造が形成される。これは、He照射によるバブル形成・移動等により形成されたものと考えられる。また、ナノ構造の厚みは時間の1/2乗に比例し増加し、拡散過程が律束していることがわかった。このナノ構造は、トリチウムリテンションに影響を与え、さらに、簡単に剥離することから、損耗やダスト形成にも影響を及ぼすものと考えられる。また、ナノ構造形成の組織依存性は、この二つのタングステン材では少ない。
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