核融合炉等の大量のトリチウムを使用する施設ではその最外郭に非常時トリチウム回収システムを備えたコンクリート製の建屋が用いられる。従って核融合炉のトリチウム安全対策を保障するためにはコンクリート壁でのトリチウムの透過・移行挙動を移動現象論的に把握しておかねばならない。コンクリートの主成分はセメントペーストと砂利および小石であるがその構造の中に多くの水を保持する親水性の多孔質体であるので、申請者が固体増殖材中のトリチウム挙動解明のために構築した吸着、同位体交換反応、拡散等の諸現象の集約としてのモデルを応用して世界で初めてのコンクリート中のトリチウム移行モデルを作り上げ、必要な諸特性を実験で求めた。シミュレーションの結果は実験データと良好な一致を示した。
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