研究課題
(1)平成18年度に開発し、平成19年度に試験的な運用を行った「再突入粒子プローブ」を平成20年度の大型ヘリカル装置でのプラズマ実験に本格的に適用し、再突入高速イオンによる流入熱フラックスのデータを、複数の磁場配位、ベータ値を変えた実験条件で収集した。今年度収集したプローブの挿入位置と熱フラックスの関係に関するデータから、プローブの稼動範囲が明確になったので、この結果に基づき、粒子フラックスの計測用の静電プローブの位置、形状の改良を行っている。(2)再突入粒子の存在を考慮できる実空間3次元高速イオン分布関数評価コードの整備が進み、LHDの高ベータ配位における再突入粒子の高速イオン分布関数に対する影響が評価できるようになった。このデータを基に(1)で得られた熱フラックスから粒子フラックスも評価している。(3)(2)で整備された実空間3次元高速イオン分布関数評価コードは、まずは多くのパラメータ領域に関するパラメータ探索を優先し、案内中心軌道追跡法を使っているが、LHD実験で最高ベータ値が得られている、低磁場運転では、ラーマ運動の効果が重要になると推測されている。したがって、上記の分布関数解析コードの開発と並行し、高速イオンの実軌道を計算するコードを開発した。現在、有限ラーマ運動効果により、損失領域が受ける影響についてパラメータ探査を行っている。(4)渡辺らが主に国内の学会、国際会議で本研究に関連した論文発表を行った。高速イオン研究者(特に分光により高速イオン計測を行っている研究者及び高速イオンの速度緩和過程の理論研究者)及び、「再突入イオン」の振舞いに大きな影響を与える周辺中性粒子に関する研究者を招聘したり、研究強力者が出張したりすることにより、高速イオン計測の現状及び利用計算コードの開発、適用状況等の研究動向調査を行った。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
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