研究課題
1.昨年度までに開発した、再突入粒子の効果を考慮できる実空間3次元高速イオン分布関数評価コードをLHDの高ベータ磁場配位の接線NBI入射実験に適用し、ビーム圧力と圧力非等方度を評価した。加熱効率が高いと予測される磁場と同じ向きに入射した中性粒子ビームが入射された低磁場(LHDの高ベータ実験が行われる運転磁場、0.5T)放電の場合、再突入粒子の効果を考慮するか否かで、周辺領域はもちろん、磁気軸付近のビーム圧力分布も大きく影響(絶対値で2割程度)を受けることがわかった。磁場に平行方向に対する垂直方向のビーム圧力比は磁場が低いほど大きくなり、低磁場ほど非等方度が高くなる可能性がわかった。2.本科研費で開発した「再突入粒子測定プローブ」を平成21年度の大型ヘリカル装置でのプラズマ実験に適用し、再突入軌道上の熱負荷分布を最外殻磁気面からの距離の関数として取得した。この結果、熱負荷は最外殻から離れるにつれて指数的に減少し、その減少率の異なる領域が少なくとも2箇所存在することを確かめた。また、最外殻からより遠い領域の減少率の特成長は、近い領域のそれより約2.5倍長いことがわかった。さらに、熱負荷分布の運転磁場強度依存性やNBIの入射視線依存性も取得した。3.スイス、ローザンヌプラズマ物理研究所と開発された非等方圧力版3次元MHD平衡開発コード(ANIMEC)をLHDの有限ベータ平衡解析に適用し、非等方圧力比に対し磁気軸位置や反磁性計測における圧力非等方度の関係に対するデータを取得した。4.渡辺らが国内の国際会議で、研究連携者の北大松本氏、関氏が国際学会で研究に関連した論文発表を行った。トカマクにおける高速イオン速度分布関数評価コードの開発、適用状況や圧力非等方度研究等の動向調査を行った。
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