研究課題/領域番号 |
18360454
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
有冨 正憲 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (60101002)
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研究分担者 |
木倉 宏成 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (00302985)
秋本 肇 日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部, 研究員 (70354793)
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キーワード | 低減速自然循環沸騰水型 / 沸騰二相流 / ガイセリング / 密度波振動 / ワイヤーメッシュトモグラフ / SBWR / パルス超音波のドップラ効果 / 粒子-流体モデル |
研究概要 |
本研究は、超音波流速分布計とワイヤー・メッシュ・トモグラフィを大口径管内の気泡流の多次元流動特性計測に適用して、解析コードの検証用データベースを確立するとともに二次流れ特性を解明し、チェムニの最適な分割に必要な知見を提供するとともに、低減速自然循環沸騰水型炉の成立性に大きな影響を与える起動時の炉心内不安定流動特性、特に、不安定流動、チェムニ内の二次流れ、並びに、狭隘流路における熱流動特性を解明することを目的として,以下の知見を得た. (1)現有の自然循環沸騰二相流実験装置の出入口プレナム間の2本の並列沸騰流路から構成されるテスト部を、加熱部の下流側の非加熱ライザー長を0m、0.25m、0.5m、0.75mに変更できるように改造した。そして、入口サブクール度は10Kと固定し、系圧力を大気圧から0.7MPaまでパラメトリックに変化させ、ガイセリングの発生領域を投入熱流束に対して求め、ガイセリングの発生領域に与える系圧力と非加熱ライザー長の影響を定量的に解明した。 (2)気泡流の多次元流動特性を計測する新しい技術として、超音波パルス・トモグラフィ法を開発し、従来本研究グループが開発してきた超音波パルスのドップラ効果を利用した計測技術(UVP)を用いた計測と併用することにより、測定精度を検証した。現有のUVPは他の研究に使用するため、本研究に専用できる新しい1台を購入する必要がある。また、昨年度までにドイツのロッセンドルフ研究所と共同開発を行い完成させたワイヤー・メッシュ・トモグラフィ(WMT)の計測技術を実験装置の下流側に設置し、UVPとWMTにより計測した結果を比較して二相流計測の精度を明らかにした。 (3)大気圧下の空気-水を作動流体とする大口径二相流循環装置を、低減速自然循環沸騰水型炉の炉心部とチェムニ部を模擬して、設計し、製作した。炉心部は半径方向の出力分布に合わせて空気注入量を変えられるような構造を設計する。また、チェムニ部は次年度以降の分割チェムニに変更できる構造を採用した。また、分割チェムニの場合は、ガイセリング発生の抑止策とこの間隙での横流れ防止との観点から、炉心上端部と分割チェムニの下端部の間隙に最適値が存在する可能性があるため、次年度以降この研究が可能な構造とする。 (4)以上の準備が完了して実験装置を完成させた後、低減速自然循環BWRの起動時のチェムニ内の低ボイド率条件を模擬するため、液相を低流速で循環させ、流路中央部に気泡を注入する実験を行い、大口径管内の気泡流の二次流れ特性を調べる実験を行った。
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