研究概要 |
模擬太陽光を励起に用いたレーザーを作成しその特性を調べた。太陽光からのレーザーエネルギーへの変換効率は40%に上る。これはクロミウム(Cr)とネオジュウム(Nd)の供ドープによる効果である。すなわち可視域でのクロムの吸収エネルギーをネオディウムに量子遷移しこの発振に吸収エネルギーを集中させたことによる。模擬太陽光での研究である以上効率は確定できないが極めて高い効率を得ている。 ネオジュウムとクロミウムの問のエネルギー遷移は、電気-電気双局子の非輻射遷移により行われ,この両イオンのレート方程式を解くことによりこの実験による効率についての解析を行った。この理論モデルを確立しこの効率についての検討を行った。この結果Crの吸収エネルギーの70%がNdの発振スペクトルに量子遷移していることがわかった。これらは論文化され投稿中である。特に今までの結晶やガラス媒質に比べて遷移確立が高いのは透明度が高いまま高濃度ドープができるためでありセラミックの特長となる。 この太陽光励起レーザーを用いて高温発生を行うための高温チャンバー等を準備中である。到達温度特性につい今年度予備的に計算を行った。これによると今年度設計-試作予定のグラファイト空胴は1200℃程度の上昇が可能である。また去年度この温度領域が計測できる放射温度計を準備し実験を進めつつある。 これに基づき今年度はセラミックターゲット空胴の温度上昇実験を行い熱化学的作用の可能性を試行する。
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