研究課題/領域番号 |
18370001
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
遺伝・ゲノム動態
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
井上 弘一 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60114203)
|
研究分担者 |
田中 秀逸 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90202431)
畠山 晋 埼玉大学, 科学分析支援センター, 講師 (00396665)
五味 勝也 東北大学, 農学研究科, 教授 (60302197)
阿部 啓悦 東北大学, 農学研究科, 准教授 (50312624)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
キーワード | 非相同末端結合 / 遺伝子ターゲッテイング / KU70 / KU80 / LigaseIV / MRX / アカパンカビ / コウジカビ |
研究概要 |
多くの生物でゲノム解読が進み、コンピューターによる遺伝子のアノテーションが行なわれているが、遺伝子の機能を知るには知りたい遺伝子を破壊して突然変異株を得ることが最も確実な方法である。そこで、多くの生物では本来生物が持っている相同組換え機構を利用し、細胞外から破壊したい遺伝子と相同部分を持つDNAを導入し、相同部分での組み換えにより遺伝子を破壊する方法が試みられてきた。しかしながら、多くの場合DNAは相同部分以外にランダムにゲノムに挿入されてしまう。我々は、ランダムに組み込まれる際に必要なタンパク質を作っている遺伝子(KU70およびKU80)を破壊することで100%相同部分に組み込むことに成功した。本研究では(1)KU以外の非相同組換えに関わる遺伝子を破壊し、ターゲット効率を更に上げること、(2)アカパンカビでこれまで試みてきた方法が他の糸状菌で同じ様に使えるかどうかの2点にしぼって研究を行った。その結果(1)KU以外でヒトのLig4ホモログ遺伝子やXRCC4ホモログ遺伝子を破壊しても高い率でターゲットができることを確認した。また(2)コウジ菌でもアカパンカビと同様に、LigD破壊株で効率のターゲットができることがあきらかになった。これからはこの方法を使用し自由に細胞内の遺伝子の改変ができるため、これらの結果の意味するところは極めて大きい。キノコについても同じ様に実験が行なわれたが、予想のできなかった困難のため、さらにここしばらくの実験が必要である。しかしながら基本的にはこの方法が有効であると思われるため引き続き実験を行なって行く予定である。現在、アカパンカビおよびコウジカビではこの方法をもとにしたシステマティックな遺伝子破壊が行なわれている。
|