研究課題
26Sプロテアソームは66あまりのサブユニットからなる蛋白質複合体であるが、これまでわれわれは26Sプロテアソームの精製法を開発し、ユビキチン化基質の合成法の開発にも成功した。しかし、サブユニット組成は明らかになったが、詳細な構造については不明である。結晶化が難しいことがその一つの原因と考えられる。今年度、二通りのアプローチで構造的に強い26Sプロテアソームの精製を行った。1.サブユニット融合株の26Sプアロテアソームの精製20Sコアのαサブユニットの一つα4のC末端とベースの構成因子の一つRpt2のN末端を連結し融合蛋白質を作った。この融合蛋白質は細胞内で、α4とRpt2両者を代替できることが分かり、融合蛋白質を発現するα4 Rpt2二重欠失株から26Sプロテアソームを精製すると融合蛋白質を含んだ酵素が得られていることが分かった。この酵素資料については電子顕微鏡観察による形態観察および結晶化条件の検索を行っている。2.高温で生育する生物材料からの26Sプロテアソームの利用。蛋白質の構造解析に高温生育性の細胞由来の材料を用いて成功している例があるので、26Sプロテアソームについてもこの可能性を試すために、50度で生育可能なカビ、Asperugillus fumigatusから26Sプロテテアソームを精製し、その酵素的な性質を調べた。A.fumigatusのrpnK(酵母のRPN11のホモログ)をrpnK-3xFLAGで置換した株から26Sプロテアソームを精製した。酵母のものと比較したところ、カビの酵素の方が大きいこと、熱に対して安定であることが示された.カビの酵素について電子顕微鏡による形態観察を行った。これについても結晶化が可能か否かを検討する。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Plant J 53
ページ: 102-114
Mol.Biol.Cell 18
ページ: 569-580