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2006 年度 実績報告書

線虫の神経回路における情報処理機構-多面的なアプローチによる分子遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18370004
研究機関九州大学

研究代表者

石原 健  九州大学, 理学研究院, 教授 (10249948)

研究分担者 古賀 誠人  九州大学, 理学研究院, 准教授 (60243888)
藤原 学  九州大学, 理学研究院, 助教 (70359933)
広津 崇亮  九州大学, 理学研究院, 助教 (70404035)
キーワード学習 / 神経回路 / 脳 / 情報処理 / 線虫 / 行動 / 遺伝学
研究概要

動物は、外界から同時に受容した様々な情報を、中枢神経系において取捨選択・統合した上で、適切に情報処理を行い行動している。我々は、このような情報処理のメカニズムを、線虫C.elegansをモデルとして解析している。感覚情報の統合は、「2つの入力から1つの出力」という最も単純な情報処理の1つである。我々は、分泌タンパク質HEN-1と受容体チロシンキナーゼSCD-2からなるシグナル経路が、線虫の神経回路において感覚情報の統合を制御していることを明らかにしてきた。このSCD-2が働くニューロンを分子遺伝学的に決定したところ、AIA介在ニューロンが重要な役割を果たしていることがわかった。そこで、AIA介在ニューロンで働く可能性がある神経伝達物質受容体を探索した。その中でグルタミン酸受容体をコードするGLC-3の変異体が、感覚情報の統合に異常があることから、SCD-2の下流で働く可能性を遺伝学的に解析したが、GLC-3はSCD-2とは異なる経路で感覚情報の統合を制御していることが明らかになった。そこで、SCD-2の下流で働く因子の探索のために、新たな変異体のスクリーニングを行ったところ、膜貫通型グアニル酸シクラーゼをコードする遺伝子の変異体を単離した。感覚順応におけるRas-MAPK経路の働きを、グルタミン酸受容体GLR-1の局在の変化に着目して研究している。Ras-MAPK経路に異常がある変異体では、GLR-1のシナプス領域における局在に変化が見られることから、MAPKが直接GLR-1をリン酸化する可能性を検討した。その結果、MAPKがGLR-1を直接リン酸化することを見いだしたので、リン酸化アミノ酸残基を線虫からGLR-1を抽出することにより同定した。このリン酸化アミノ酸残基を含むペプチドに対する抗体を作成し、野生型線虫を免疫染色したところ、神経系において抗体による染色が観察された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Caenorhabditis elegans integrates the signals of butanone and food toenhance chemotaxis to butanone.2007

    • 著者名/発表者名
      Torayama, et. al.
    • 雑誌名

      Journal of Neuroscience 27

      ページ: 741-750

  • [雑誌論文] Two mutations lead to a super small body size in the nematode C. elegans.2007

    • 著者名/発表者名
      Watanabe, et. al.
    • 雑誌名

      Genes to Cells 12

      ページ: 603-609

  • [雑誌論文] IFT-81 and IFT74 are required for intraflagellar transport in C. elegans.2007

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, et. al.
    • 雑誌名

      Genes to Cells 12

      ページ: 593-602

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公開日: 2010-02-01   更新日: 2016-04-21  

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