研究課題/領域番号 |
18370005
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
関口 睦夫 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00037342)
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研究分担者 |
早川 浩 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (70150422)
伊東 理世子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10140865)
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キーワード | 酸化ストレス / RNA / 酸化グアニン / リボヌクレオチド / マウス / 品質管理 |
研究概要 |
DNAに異常が生じると突然変異やがんがひき起こされるが、RNAの異常は形質発現の変化をきたし、哺乳動物では老化の促進をきたすと考えられる。生物はRNAの異常を防ぐ機構をもっており、我々はそれがヌクレオチドとRNAの2つのレベルでなされることを明らかにした。酸化されたグアニンを含むリボヌクレシド二リン酸と三リン酸をそれぞれ一リン酸に分解する活性を持つタンパクとしてNUDT5とMTH1を同定したが、その生物学的意義を明確にするためこれらの遺伝子をともに欠くマウスの作出を進めている。すでにMTH1を欠くマウスの作出は終えたが、本年度の研究でNUDT5の遺伝子ターゲティングを行った。MIDT5^<-/->マウスは正常な状態で生まれ、成体も得られている。先に作出したMTH1^<-/->マウスと交配することによって両遺伝子を欠く二重欠損マウスをつくり、どのような生理的影響が出るか調べる予定である。またそれぞれの遺伝子を欠くマウスおよび両遺伝子をともに欠くマウスの組織から細胞株を樹立して、正常状態あるいは酸素ストレスをかけた状態で遺伝子発現の変化が起こるかどうか調べる。以上はヌクレオチド・レベルの品質管理機構についての解析であるが、レベルの品質管理機構についても研究を進めている。ここでは酸化グアニンを含むRNAと特異的に結合するタンパク質を検索し、マウスのPNPタンパクがそのような活性を持つことを明らかにした。このタンパクはポリヌクレオチドフォスフォリラーゼ活性を持っており、細胞に酸化ストレスを与えるとこのタンパク質の量が変化することを明らかにした。この遺伝子のターゲティングを行うため、目下その遺伝子構造を解析しているところである。
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