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2006 年度 実績報告書

アリをめぐる三者絶対相利共生系における地理的共進化過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18370010
研究機関信州大学

研究代表者

市野 隆雄  信州大学, 理学部, 教授 (20176291)

キーワード共進化 / 共生 / 種特異性 / アリ / カイガラムシ / アリ植物 / 熱帯雨林 / 東南アジア
研究概要

1.マカランガ属植物に共生するカイガラムシのmtDNA COI系統樹について,植物との種特異性の高い,祖先的なカイガラムシ系統のサンプルを追加して150サンプルについて解析をおこなった.この結果,カイガラムシは6つの系統に分かれた.マレー半島とボルネオ島のカイガラムシは互いに大きくふたつに分岐し,共生アリの系統樹とその点で一致した.
2.それぞれのカイガラムシmtDNA系統の植物・アリに対する種特異性は低く,共種分化仮説は棄却された.また,共生カイガラムシの起源年代(9-11Mya)は共生アリのそれ(16-20Mya)と比べて新しいことが判明した.
3.カイガラムシ210サンプルについて核DNAのWingless遺伝子およびEF-1α遺伝子の塩基配列を決定し,核DNA系統樹を作成した.その結果,mtDNAにおいて別系統に属していた同じ形態種のカイガラムシが単系統となり,過去に浸透交雑が起こっていたことが強く示唆された.
4.マカランガ共生アリのmtDNA COI系統樹から、その多様性の起源はボルネオ島であり,多くの種が第三紀にスマトラ島を経てマレー半島へと分散したこと,第四紀における氷期のレフュジアはボルネオ島北西部,およびマレー半島とスマトラ島の山岳地帯に存在し,これに対してマレー半島とスマトラ島の低地に分布するアリ集団は,ボトルネックを経て最近個体数と分布の急激な拡大をおこなった形跡があること,などが明らかになった.
5.ボルネオ島ランビル国立公園においてサンプリングをおこない,アリとカイガラムシの体表面炭化水素を分析した.アリについては種特異的なプロファイルが認められた.また,植物の乾燥サンプルからDNAを採取し,各種DNAマーカーによるPCRを開始した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The geography of diversification in mutualistic ants : a gene' s-eye view into the Naogene history of Sundaland rain forests.2007

    • 著者名/発表者名
      S-P.Quek, S.J.Davies, P.S.Ashton, T.Itino, N.E.Pierce
    • 雑誌名

      Molecular Ecology 16(In press)

  • [図書] アリ植物とアリの共進化-DNAで探る共多様化の歴史. In : 共進化の生態学(種生物学研究第31号)2007

    • 著者名/発表者名
      市野隆雄, 上田昇平, Swee-Peck Quek
    • 出版者
      文一総合出版(In press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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